性能ラボ
未来の住宅の資産性 第7弾「2050 STANDARD HOUSE PROJECT×ノーブルホーム」後編

住宅は人生最大の買い物でありながら、従来の日本では「建てた瞬間から価値が下がる」のが常識でした。そんな中で、2050 STANDARD HOUSE PROJECTでは、2050年においても資産価値を保ち続ける住宅の実現を目指しています。
今回はノーブルホーム性能ラボメンバーの上野と一般社団法人日本人の健康をつくる住宅断熱リフォーム推進協議会事務局長の小松昭氏が、真の資産性を持つ住まいについて対談。性能体感ショールームでの取り組みとともに、住宅の新しい価値観をお伝えします。
目次
2050年も資産価値を保ち続けられる住宅とは
前編では、住宅の温熱環境が健康に与える影響についてお伝えしました。後編では、2050 STANDARD HOUSE PROJECTの名前の由来でもある「2050年でも資産価値を保つ住宅」について考えていきます。
小松氏「2050 STANDARD HOUSE PROJECTという名前には、『2050年でもスタンダードな住宅として資産価値を保ち続ける』という意味が込められています。つまり、資産性を保てる家づくりが、このプロジェクトの大きなテーマともいえるんです」
上野 「前編でお話しした住環境がもたらす健康価値も、資産性に大きく関わってきますよね」
小松氏「まさにその通りです。健康をつくる住環境というのは、実は大きな経済効果があるんです。長年、光熱費削減により受けられる恩恵「エナジー・ベネフィット(EB)」が注目されていましたが、それに加えて、健康性、快適性、遮音性、安全性など、省エネ以外の恩恵「ノン・エナジー・ベネフィット(NEB)」を考えていくことが重要です。
病気になりにくい家に住むことで、長期的には医療費が削減されますし、何より家族が元気でいられることの価値は計り知れません。そしてもう一つ、25年後を考えたときに重要なのが温暖化への対応です。2050年の地球は確実に今より暖かくなっている。その環境下でも快適に住み続けられる性能を持つ住宅こそが、本当の意味で資産価値を保てます」
住まいの気密・断熱性能を高めると、ヒートショックリスクを低減できるだけでなく、アレルギーや喘息等の症状や発生リスクが緩和されることがわかっています。
下図は、近畿大学副学長 岩前篤教授が、新築住宅に引っ越した2万人以上の方々を対象に、転居後の住宅の断熱グレードと住まいの健康影響に関してアンケート調査した結果です。
気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、関節炎、アレルギー性鼻炎など15の諸症状について、引っ越し後の変化を尋ねたこの調査では、大半の症状に明らかな改善が見られます。特に省エネ等級4以上など、より断熱性の高い住宅へ引っ越した人ほど改善率が高くなっています。
出典:「これからのリノベーション 断熱・気密編」近畿大学 岩前研究室
2050年の豊かな未来を実現するために
2050年の日本を考えたとき、少子化問題は避けては通れません。しかし、住まいの力で、この問題に貢献できる可能性があります。
小松氏「日本の未来を暗く考える方も多いかもしれません。しかし、私たちは『ワクワクする住宅』をお客様に提供する立場として、暗い未来を前提にした商品を提供するのは、何か違うと思うんです。2050年はもっと豊かになっているはずですし、少子化問題だってクリアできるはずです」
上野「住まいがそこに貢献できるということですか」
小松氏「そうなんです。少子化問題をクリアするために、住まいというのは実は大きな役割を担っています。なぜかというと、毎月の出費で一番大きいのは、もしかしたら家かもしれないですよね。住宅ローンという形で、長期間にわたって家計に影響を与え続けます」
上野 「確かに、人生最大の買い物ですし、月々の支払いも大きいですね」
小松氏「だからこそ、この住宅ローンの考え方が重要で、2050 STANDARD HOUSE PROJECTの勉強会では、金融知識も一緒に学んでいるんです」
長期の住宅ローンを投資として考える新発想
住宅購入で資産価値を考えるとき、住宅ローンを単なる「借金」ではなく、「投資」として見る。この考え方の転換が、これからの時代には必要です。
小松氏「例えば、35年、40年、50年。どれでも選べるとしたら、私は50年ローンをおすすめします。ノーブルホームさんをはじめ、2050 STANDARD HOUSE PROJECTに参画している会社は、資産価値が残る住宅を建てているから、こうした長期のローンが組めるんですよね。個人としては長く借金が残ることに抵抗があるかもしれませんが、これを会社の経営者の視点で考えてみてください。信じられないくらいの低金利で、50年もの間、お金を貸してくれる。そんなチャンスがあったら、経営者なら絶対に50年を選ぶはずです」
上野「超低金利で資金を調達して、手元に余裕資金を残せるなら、その方が経営的には健全ですよね。その資金を投資に回すこともできますし」
小松氏「そうなんです。借金はあるけれど、手元にしっかりお金があって、それを投資して増やしていける。子育てにもお金を使える、家族との時間にもお金を使える。そういう選択肢が生まれるんです。ハードとしての住まいが少子化問題に取り組めるということは、子育てがしやすくなる、もう1人産める環境を作れるということです」
上野「住まいの経済的負担を適切にコントロールすることで、人生全体が豊かになるということですね」
性能体感ショールームで体感する真の住宅価値
これまでお話ししてきた健康価値や資産性。こうした住宅の本当の価値を、実際に見て、触れて、納得できる場が必要です。ノーブルホームでは宇都宮に性能体感ショールームを開設し、カタログや図面では伝わらない住宅性能を五感で体感できる環境を提供しています。
小松氏「そもそも高いお金を出して家を建てるのに、資産性が失われてしまうというのが、これまでの日本の大きな問題でした。その資産性をしっかりと担保するためにも、構造・断熱・空気・耐震などの土台が大切です」
上野「宇都宮の性能体感ショールームでは、実際に地震の揺れを体感して、構造の強さを実感できる装置や、冬の寒さを再現した空間で体感温度の違いを比べられる『3つの家』という展示があります。断熱・気密・換気のエリアや空調・換気のエリアでは、ノーブルホームが採用している性能の理由を説明しています。断熱力、耐震性能、資産を守る力、それから空気をどう取り込むか。住宅性能を体感していただくことで、なぜ高性能住宅が資産価値を保てるのか、理解していただけると思います」
小松氏「家づくりは『家を建てたらゴール』じゃない。暮らしはずっと続くからこそ、ご家族みんなで知って、感じていただきたいですね」
健康で快適に暮らせて、資産価値も保たれる。そして人生を豊かに、日本の未来を明るくする。それが2050 STANDARD HOUSE PROJECTとノーブルホームの目指す姿です。
宇都宮の性能体感ショールームは完全予約制で、体験時間は約1時間です。2050年も価値を保ち続ける住まいづくりについて、ぜひ実際にご体感ください。また、水戸市米沢町では松尾式住宅のモデルハウス見学も受付中です。健康で快適な住まいの実際を、ぜひご体感ください。




