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住まいの快適さを支える換気性能 第5弾「パナソニック×ノーブルホーム」 前編

「暮らしをひらく」をブランドミッションに掲げ、高性能な住まいづくりに取り組むノーブルホーム。住宅性能の開発特化チーム「性能ラボ」では、ノーブルホームで採用している建材を連載形式で紹介します。

第5弾となる今回は、換気扇のグローバルNO.1シェアのパナソニックの換気・環境ショウルームを訪問。ご担当の林氏と澤井氏にご案内いただき、住まいの快適さを支える換気性能の大切さについて、性能ラボのメンバー上野絢子が体感しました。

 

目次

 

換気・環境ショウルームで体感|パナソニックの最新技術

 

屋外から花粉やPM2.5などの不要な物質を入れず、室内の不要な物質を確実に排出する事で快適な室内空気質(Indoor Air Quality)を維持する換気技術。 ノーブルホームでは、パナソニックの天井付けカセットタイプの全熱交換換気を採用し、住宅の室内環境を快適に保っています。 今回私は、5つの換気技術について、パナソニックの「換気・環境ショウルーム」で体感させていただきました。

 

1.安定した換気効果が得られる「第1種換気」

住宅の換気には、主に「第1種換気」と「第3種換気」の2種類があります。給気と排気の両方を機械でする事で最も確実な換気が可能な「第1種換気」。 排気だけ機械で行い、給気は自然に任せるのが「第3種換気」です。

 

 

澤井さん「給気を自然に任せる「第3種換気」では、1ヶ所でも窓を開けると空気の流れに変化が起きるので、換気のムラができてしまいます。人の集まるリビングで換気が不十分になると、呼吸によるCO2濃度の上昇や、人からの発湿による湿度上昇で結露やカビの発生原因にもつながるでしょう。

一方、給気と排気を機械で行う「第1種換気」なら、汚れた空気をスムーズに排出して室内を快適に保ちます。また、適正な給気量を確保することで給気口以外の隙間などから外気の汚れが入ってくる事も防げるので、「第1種換気」をおすすめします」

 

2.省エネ・快適な「全熱交換換気」

全熱交換換気とは、室内から排出する空気と室外からの新鮮な空気が混じることなく温度と湿度を交換する換気のことです。 換気による熱ロスが少ないため冷暖房費を節約できるのと、室温に近づけて給気するため快適性を損なわずに換気できます。 日本の気候は、梅雨時の高湿度や、夏の蒸し暑さがある風土です。 「全熱交換換気」は、梅雨期・夏期の湿度の侵入や冬期の湿度の放出を抑える機能を持った換気なので、四季のある日本の換気に最適なのです。

 

■ 全熱交換換気の仕組み

 

 

上野「ノーブルホームでは第1種換気に加え、黄砂やPM2.5のほか、虫も除去する全熱交換換気を採用しています。室内の空気を整えながら、余分なものを入れない工夫が大切なのですね」

換気性能は住まいの快適さを左右する重要な要素です。ノーブルホームでは、パナソニックの先進技術を活用して、より健康的で快適な住空間づくりに取り組んでいます。

 

3.IAQ制御で季節に合わせて快適な運転と風量一定制御のDCモーター

さらにパナソニックの換気システムの優れたポイントは、室外と室内の温度の変化に合わせ自動で給排気の風量をコントロールするIAQ制御と風量一定制御機能が搭載されていることです。

 

澤井さん「IAQ制御とは、例えば室内と室外の温度差が少ない春は、排気側のモーターを絞って室内を正圧にします。室内が膨らんだ風船のような状態になるので、隙間から黄砂や花粉が入りにくいです。 自動でこのような制御で運転出来るのがパナソニックの特徴です。

そして給気と排気のそれぞれのDCモーターは、ダクトの長さや曲げ、外風圧の変化に左右されない風量一定制御機能付きなので、意図した風量で安定して換気してくれます」

 

■ IAQ制御

 

上野「ノーブルホームでは第1種換気に加え、黄砂やPM2.5のほか虫の侵入も防いで省エネで快適な、全熱交換換気を採用しています。室内に不要なものを入れずに、空気を整える工夫が大切なのですね」

 

4.お掃除しやすいフィルター

屋外の空気を給気すると、花粉や黄砂などもそのまま室内に入ってくるので、フィルターで 不要な物質を除去する仕組みが必要です。

 

澤井さん「ご採用頂いている機器には、給気用に2つのフィルターを搭載しています。1つは大きなホコリや虫などの侵入を防ぐ『粗塵防虫フィルタ―』。このフィルタ―には、お手入れの際、生きた虫が逃げ出すのを防ぐ手動式シャッターが付いています」

 

上野「屋外とつながる給気口は虫が入り込みやすいですし、シャッター付きは心強いですね。お手入れ中の虫との遭遇は、極力避けたいですから」

 

澤井さん「虫を入れない工夫として、屋外に取り付ける『サイクロン給気フード』も別途ご用意しています。外風を引っ張る力を利用して空気をくるくると回し、入り込んだ虫を遠心力で給気される空気と分離してそのまま外へ排出します。メンテナンスのストレスを少しでも軽減できるように工夫した商品です」

 

もう1つのフィルタ―は、微小粒子用フィルターです。このフィルタ―は、PM2.5にも対応した目の細かなものです。約2年に1回で新品に交換していただくようになります。日常のお手入れも必要ですが、表面を掃除機で吸う程度で十分です。お手入れ時期は、リモコンのランプでお知らせする機能が付いており、30日・90日・0日の3パターンで設定ができます。

 

 

 

 

5.家中が心地よい空気になる全館空調

 

「with air」 家中の空調をまとめて管理できるのが、全館空調熱交換気システム『with air(ウイズエアー)』。このシステム1つで、家全体の空調を隅々までコントロールできます。

 

澤井さん「『with air』は、機械室にエアコンと空気清浄機にも搭載されている静電HEPAフィルター4枚とミニシロッコファンを備えた空調ユニットを設置します。空調ユニットに家中を循環してきた空気と換気空気を取り込み、エアコンで空調、静電HEPAフィルターで空気清浄された快適な空気を2台のミニシロッコファンにより住宅全体にお届けします。玄関や廊下、洗面所などエアコンを取り付けないスペースでも、常に快適な空調に整えられるのが魅力です」

 

上野「全館空調はエアコンが部屋の壁に設置されていないため、メンテナンスが気になるところだと思いますが、そのあたりはいかがですか?」

 

林さん「メンテナンス性を考慮して、パナソニックの全館空調では、お掃除ロボット付きのルームエアコンを採用しています。通常のルームエアコンと同様にフィルターのゴミは自動でお掃除されますので、メンテナンスの手間はほとんどかかりません。静電HEPAフィルターも定期的な掃除は必要ですが、10年間交換不要でお使いいただけます」

 

高気密高断熱住宅は暖房の効きも良いため、気になるのが冬の過乾燥です。人間は1日で1.5kg(1500ml)の水分を排出していますが、通常の換気システムでは、屋外の乾燥した空気を入れて、室内のうるおいのある空気を屋外に捨ててしまうことになるため、室内の加湿はなかなか追いつきません。 そこでパナソニックでは、手軽に家中を加湿できる加湿ユニットも提供しています。

 

林さん「加湿ユニットは水道直結型なので、給水の手間もありません。運転モードによりますが、1時間におよそ700mlの加湿が可能です」

 

上野「湿度に関するソリューションを持った会社はいくつかありますが、パナソニックさんほど湿度コントロールに力を入れていらっしゃる会社はほとんどありません。私たちも、高気密高断熱や換気だけでなく、湿度に関してもしっかりと考えたうえで健康につながる家づくりをしていきたいと思います」

 

 

換気性能は住まいの快適さを左右する重要な要素です。ノーブルホームでは、パナソニックの先進技術を活用して、より健康的で快適な住空間づくりに取り組んでいます。後編では、さらに進化した空気質向上のための技術についてご紹介します。