家づくりの話
構造の強さが住まいの資産価値を決める 第2弾「ウッドワン×ノーブルホーム」
「暮らしをひらく」をブランドミッションに掲げ、高性能な家づくりに取り組むノーブルホーム。住宅性能の特化チーム「性能ラボ」では、ノーブルホームで採用している建材を連載形式で紹介しています。 第二弾となる今回は、株式会社ウッドワン構造システム営業部の新井秀信さんをお招きし、性能ラボのメンバー・上野絢子とともに、住まいの資産価値を決める構造の大切さについて語っていただきました。
目次
JWOOD LVLと金物工法を組み合わせた
「JWOOD工法」4つの特徴
長く住み続けられる高性能な住まいづくりには、構造の強さが欠かせません。あとから変更しにくい部分のため、新築時の構造の強さが、家の寿命や資産性を大きく左右します。 ノーブルホームが採用しているのは、ウッドワンが手掛ける「JWOOD工法」。高い耐久性をもつ「JWOOD LVL」と耐震性の高い「金物工法」を組み合わせた、高性能住宅に欠かせない構造です。
1)植林から製材まで安定した供給体制
JWOOD工法で使用する木材「JWOOD LVL」は、植林から伐採・一次加工まで、ニュージーランドの自社森林と工場で一貫生産されています。木材は安定した品質と量を保つのが難しいとされる素材ですが、30年サイクルの計画的な植林にはじまる製造ラインの効果により、質・量ともに安定した供給が可能です。
2)新築当初の性能を維持する「JWOOD LVL」
JWOOD LVLの製造では、切り出した木材を回転させながらシート状にスライスし、1枚ずつ丁寧に乾燥させます。乾燥させた後に強度を測定し、強さに応じてランク分け。強度を均一にするために同じランクの単板を揃え、繊維方向を揃えて圧縮接着したものがJWOOD LVLです。
© 2024 株式会社ウッドワン
品質にバラツキが生じやすい一般的な製材品や集成材等に対し、JWOOD LVLは内部まで低い含水率を維持出来る乾燥材で、長期的に寸法変化が少なく安定した強度を発揮する事が出来ます。 何十年にもわたって新築当初の性能を維持できる、高性能な住まいづくりに適した木材です。
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3)オール金物工法の施工品質と高い耐震性能
日本の木造建築では、柱と梁を組み合わせる「在来軸組工法」が多く用いられています。しかし欠き込みをした木材同士の接合部は地震で欠損するリスクが高く、施工品質も職人の腕前によってバラつきがありました。
© 2024 株式会社ウッドワン
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これを克服するために、JWOOD工法では接合部に専用金物を使用。欠損や緩みによる耐久性の低下を防ぎ、従来の在来軸組工法と比較して約1.5倍の耐久力を実現しました。
© 2024 株式会社ウッドワン
4)効果の高い乾式加圧注入による防腐防蟻処理
木造住宅で欠かせないのが、防腐防蟻処理です。木材を腐朽菌やシロアリ被害から守るために、JWOOD工法では乾式加圧注入による防腐防蟻処理を実施。中心部までしっかりと薬剤を浸透させることで、薬剤の水分が蒸発しにくく、半永久的に効果が持続します。
© 2024 株式会社ウッドワン
わずか数%のコスト増でさらに資産性の高い高性能住宅を手に入れる
植林から製造まで一貫生産し、高い耐久性を誇るJWOOD工法。細部までこだわり抜かれた性能の高さは住まいづくりの安心感につながりますが、コスト面はどのように捉えたらよいのでしょうか。
上野「日本では建築基準法により、建築物の構造に関する基準が定められています。ノーブルホームではお客様の命や財産を守るためにも、法律で定められた基準以上の住まいを提供したいと考えており、その思いから構造にJWOOD工法を採用しています。 高性能な住まいづくりでは、しばしばコストとのバランスが話題にあがりますが、JWOOD工法のコスト面については、どのようにお考えでしょうか?」
新井さん「JWOOD工法に使用しているJWOOD LVLは、乾燥具合と強度を徹底管理しており、経年変化が少なく新築当初の性能をそのまま維持しやすい木材です。たとえ新築時に高い性能値を示しても、経年変化で数値が下がれば住まいの住み心地や資産価値は低下し、メンテナンス費用も別途発生するでしょう。住まいの資産価値という面から考えると、JWOOD工法への初期投資は、十分回収できるものだと考えています」
上野「ノーブルホームの場合、建物価格を仮に3,000万円とした場合、JWOOD工法の住宅は従来の住宅に比べておよそ70~80万円のイニシャルコストの増加が見られます。単体で見ると大きな金額ですが、全体ではわずか数%のコストの違いで資産価値が大きく変わってくるのですね」
新井さん「特に構造は後から交換できませんので、高性能住宅を建てるなら、ぜひ住まいの資産価値からもコストを考えていただきたいです。 以前、弊社のお客様が『断熱性能が変わり、住宅の重量も変わったけれど、(一般的な)躯体の性能だけが全く変わっていない』と仰っていました。
断熱材で壁の厚みが増し、重量のある高断熱サッシが増えたけれど、それらを支える一般的な構造の強さはどれほど変わったのか?という疑問の声も耳にします。 建物を支える耐力壁の強さには、地震発生時の釘の保持力が大きく影響します。構造の強さが変わらずに重量のみ増していけば、地震でくり返し負荷がかかったときに、釘が引き抜けてしまうリスクも高まるでしょう」
上野「性能が向上するほど住まいの重量が増してしまうのは、避けては通れない問題ですよね。JWOOD工法では、その点についてはいかがでしょうか?」
新井さん「JWOOD工法は、建築基準法の基準を上回る強度を立証し、性能に比例して増す住宅の重みにも長年耐えられます。さらにJWOOD工法は釘の保持力が非常に高く、長期優良住宅の構造用製材としても認定されるベイヒバの、およそ1.4倍の釘の保持力を発揮。大地震やその後の余震など、くり返しかかる負荷にも耐えられる構造です」
上野「構造の強さは、住宅性能の高さに直結します。性能が高く維持できれば資産価値の保持にもつながりますし、初期コストだけでなく、住まいの資産性を見据えた長い目で考えるのが大切ですね」
© 2024 株式会社ウッドワン
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求められるのは10年、20年後も安心して住める住宅性能
高性能住宅に求められるのは、新築時の性能の良さだけではありません。長年住み続ける間も、新築当初と変わらない性能を維持する住宅こそが、本来の高性能住宅といえるでしょう。
新井さん「高性能住宅は、今後ますます普及が進むと考えられます。その中でJWOOD工 法が可能にするのは、高耐震であり、かつ木材の寸法変化が少なく高性能な品質を長く 保てる住まいです。資産性に関わる構造の大切さをいかに伝えていくかが、部材メーカー として、今最も求められていることだと感じます」
10年、20年後も変わらない住宅性能が叶える、快適さと安心感のある住まいづくり。長く住み続けながら資産性も保てる住まいのために、ノーブルホームは今後も住宅性能の追求に取り組んで参ります。